副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)2017年02月25日

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腎臓の背側にある副腎の皮質部分の働きが異常に亢進され、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気です。 クッシング症候群発症率は、イヌでヒトやネコよりも高いとされ、比較的高齢のイヌの発症が多くなっています。

原因
下垂体性
副腎皮質ホルモンは、脳の下垂体と呼ばれる場所から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) の指令をうけ、分泌を調整しています。下垂体に腫瘍ができると、この調整機能が失われ、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されて発症します。8割以上が脳内の腫瘍によると言われています。
副腎性
副腎そのものに腫瘍ができることで脳からの指令を無視し、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌され発症します。 これは全体の2割未満と言われています。
医原性
副腎皮質ホルモンはアレルギーや炎症などの治療に使われることがあり、その過剰投与により症状が現れることがあります。

症状
多飲多尿、腹部下垂、無気力、左右対称の脱毛(主に体幹)、皮膚の石灰化、筋肉がうすくなる  等

診断
一般的には血液検査(ACTH刺激試験、デキサメサゾン抑制試験など)を実施しますが、ストレスのかからない状態で実施し、複数回の採血が必要になります。
超音波検査を行う場合もあります。

治療
腫瘍が原因の場合は外科手術を考慮しますが、手技が困難で実施できないことがしばしばあります。
内科的には副腎皮質の働きを弱め、ホルモンを抑える薬を投与します。ほとんどの場合、薬は生涯にわたって使用します。

放っておくと病気が進行し、症状が悪化をして命にかかわる場合が多いので、早期の診断治療が最善です。

 

 

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