イヌのキシリトール中毒2017年05月26日

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イヌがキシリトールを摂取することにより、インスリンが大量に放出し、低血糖に陥った状態で、場合によって肝障害も起こします。

 

キシリトールとは:

果物や野菜にも含まれる「糖アルコール」という物質の一種です。

砂糖とほぼ同じ甘さを持ちますが、カロリーが25%低く、甘味料としてお菓子やお料理に使われています。

ブドウ糖(グルコース)が体の中に入ってくると、インスリンと言う物質が膵臓から放出され、血糖値が高くなるのをコントロールしています。

ヒトの場合、キシリトールではインスリンを放出させることはありません。

イヌの場合はキシリトールがインスリンを放出させ、血糖を低下させます。キシリトールは同量のグルコースの約6倍のインスリンが放出されるようです。

中毒量:

キシリトールでの低血糖は体重1キログラム当たり0.1g以上の摂取で生じ、摂取後30~60分で嘔吐、脱力、傾眠、ふらつきが出ます。さらに低血糖が進むとケイレン を起こします。

肝障害は体重1キログラム当たり0.5g以上の摂取で、9~72時間で生じる場合があります。また、肝障害が生じた場合は二次的に血液凝固障害が起こる可能性があります。

キシリトールガム1粒のキシリトール含有量はおおよそ0.3~1.3g。

体重5キロのワンちゃんでも1粒で中毒症状が現れる可能性があります。

ただ、キシリトールによっておこる低血糖は食事が同時に与えられていると起こりにくいようです。

治療:

低血糖や低カリウム血症、肝障害などの治療を行いますが、摂取量が多く、症状が激しい場合は手遅れになることもあります。

 

ネコのキシリトール中毒に関しては不明な部分が多いため、与えない方が無難でしょう。

 

くれぐれもキシリトール製品の誤食にはご注意ください。

 

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