脾臓のこと2017年07月28日

ホーム > アーカイブ > 脾臓のこと

脾臓は左側の肋骨後ろ辺りにあり、その前方に胃が、後方背中側には腎臓があります。
一部は脂肪の膜によって胃にくっついています。

脾臓の機能
 血球の処理機能
老化した赤血球や異常な赤血球を除去します。
(赤血球の寿命は、イヌ約120日、ネコ約70日、ヒト約120日と言われています。)
正常範囲を超えて処理されると「脾腫」が起こります。
 造血機能
生後は骨髄で造血が行われますが、何らかの原因で骨髄での造血機能が低下した場合、脾臓で造血が起こります。
 血液の貯蔵機能
イヌ、ネコでは循環血液量の10%以上、血小板は全量の1/3程度が脾臓に貯蔵されています。
筋肉が大量の酸素を必要とする運動時などに、脾臓から貯蔵血が送り出され、筋肉へ酸素を供給します。
 免疫機能
リンパ球や形質細胞など免疫にかかわる細胞を成熟させ、病原体に対する免疫応答の場所になります。

「脾腫」
脾臓が正常の大きさの2倍以上に腫れることを脾腫といいます。
脾臓が腫れると、大きくなった分、血液中から取り込む血球と血小板の量が増え、脾腫が進むと脾臓の機能が亢進し、血球を過剰に破壊するため、貧血や出血しやすくなります。
原因
・感染症…バベシア症、ヘモバルトネラ症など
・血液疾患…白血病、溶血性貧血など
・その他…肝硬変、門脈亢進症、脾膿瘍、脾捻転など
治療法
脾腫は様々な原因が考えられ、もとの病気を特定し、それに対する治療を行います。
手術により脾臓を取り除く場合もありますが、細菌やウイルスに対しての防御が低下し、感染しやすくなる可能性があります。

 

このページのトップへ ▲