慢性的な嘔吐、下痢、食欲不振~炎症性腸疾患(IBD)2017年08月26日

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炎症性腸疾患(IBD)は腸の粘膜にリンパ球、肥満細胞、好酸球などの炎症細胞が浸潤することを特徴とする慢性腸疾患で、イヌにもネコにも起こります。

症状:
程度の差はありますが、慢性的で3週間以上に及ぶ持続的な嘔吐、下痢、食欲不      振、体重減少などがみられます。
沈うつ、腹部の膨満、腹痛などを訴えることもあります。
原因
はっきりとした原因は分かっていませんが、次のようなことが考えられています。
感染=発症には、原虫や細菌感染の関与。
食事=動物性タンパク質、食品添加物、保存料、や食物アレルギー との関連。
 遺伝遺伝がかかわっている可能性。
診断
慢性持続性の臨床症状と、細菌や寄生虫などの感染症、食物アレルギー、腫瘍など、他の腸炎を引き起こす疾患を除外するための検査(便検査、血液検査やレントゲン検査など)の実施。
ほとんどの場合、確定診断には内視鏡検査による腸組織の生検が必要となります。
治療:
腸内細菌叢の改善を含めた食事療法
低アレルギー性で消化の良い食事、プロバイオティクス、プレバイオティクス。
「プロバイオティクス」腸内細菌叢を改善し、宿主に有益な作用をもたらす有用な微 生物(乳酸菌、ビフィズス菌など)
「プレバイオティクス」腸内の有益な菌の栄養源となるなどして、増殖を助ける(オリゴ糖、食物繊維など)
免疫抑制剤(副腎皮質ホルモン剤など)

いずれも根本的治療ではなく、症状緩和が目的となります。
また、ほとんどの場合、長期間もしくは生涯にわたって治療を行わなければなりません。
治療に反応しなく亡くなるケースもあるため、早期の受診が肝要です。治療・処置

 

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