アルヒ動物病院

ホーム > アーカイブ > ヨダレ、ふらつき～フェレットのインスリノーマ

インスリノーマは膵臓の細胞にできる腫瘍です。
膵臓は血糖値を下げるインスリンと言うホルモンを分泌します。
膵臓に腫瘍ができると、大量にインスリンが生成され、低血糖状態になります。

症状：
初期症状は倦怠感、運動量の減少。
低血糖が進行すると、よだれ、ふらつきや歩行困難。
さらに進行すると昏睡状態に陥り、痙攣、発作が現れ、非常に危険な状態になります。
診断：
血液検査で血糖値を測定します。
検査機器によって若干の差はありますが、通常時血糖値が80mg/dl以下、空腹時　　血糖値が60mg/dl以下の場合はインスリノーマを疑います。
治療：
内科的治療：血糖値を上昇させる薬（ステロイド剤など）を使用します。
内服薬は長期にわたり使用することになるため、薬による副作用（免疫力低下、ホルモン異常など）が出てくる可能性があり、定期的な検査が必要になります。
外科的治療：膵臓にできた腫瘍を切除します。
病気の重症度や体力の低下のため、手術適応にならない場合も少なくありません。
膵臓にできた腫瘍は、悪性のものが多く、どちらの治療も病気を完治させるものではありません。
ほとんどの場合、生涯にわたって治療が必要になります。

インスリノーマになってしまった場合
フェレットがインスリノーマになってしまった場合、家庭でのケアも重要になります。
食事は少量ずつ頻回に与え、急激な血糖値の変化を防ぐ。
４～６時間以上食事を与えないと、低血糖に陥る場合があります。
自力で食べない場合はシリンジ等で強制給餌をする。
元気がなくなったら場合、蜂蜜や砂糖水をゆっくり与える。

低血糖は放置しておくと非常に危険です。なるべく早期に受診してください。