肥満細胞腫2018年02月16日

ホーム > アーカイブ > 肥満細胞腫

肥満細胞は中に炎症を起こすヒスタミンと呼ばれる物質を含み、外からの異物に対して炎症反応やアレルギー反応に関与しています。
肥満細胞の腫瘍化したものが肥満細胞腫です。

症状
皮膚や皮下に多くみられる悪性の腫瘍で、多くは表面に毛がありません。
肥満細胞腫は悪性度の低いものから、急激に進行する悪性度の高いものまであり、表面に潰瘍ができることや、赤く皮膚炎を起こしているように見えることもあります。
また、肥満細胞腫から多量に放出されるヒスタミンなどの物質によって、局所的な発赤、かゆみ、浮腫、胃潰瘍、低血圧を引き起こすことがあります。
診断
細い注射針を使って腫瘍の細胞を採取し、顕微鏡で検査します(細胞診)。
麻酔なしで実施可能です。
転移チェック
肥満細胞腫の転移は、もともとの腫瘍(原発巣)からリンパ管の流れに沿って付近のリンパ節に転移し、他の臓器に広がります。転移しやすい臓器として、脾臓・肝臓・他の部位の皮膚などです。
リンパ節にも細胞診を行い、腫瘍細 胞がリンパ節の中に入っていないか検査します。
転移が疑われる場合は X 線検査、超音波検査、CT 検査などを実施します。

グレード(悪性度)と治療
肥満細胞腫の治療はグレードや診断時の進行具合によってさまざまですが、 外科手術、放射線療法、内科的治療の中から最も適切なものを組み合わせます。
グレード 1:最も悪性度が低く、大抵は皮膚の表面にでき た 1 ㎝以下の腫瘤で、手術で切除 します。
グレード 2:中程度の悪性度で、付近のリンパ節や、他の臓器などに転移することがあります。周囲の正常組織にも広がるために周囲組織も広く切除する必要があります。
グレード 3:最も悪性度が高く、急速に進行し、予後も良くありません。リンパ節やその他の臓器に転移していることが多く、適切な治療をしても、平均生存期間は6ヵ月ほどと言われています。
正確なグレードは、摘出した腫瘍組織の病理検査で判断します。 抗癌剤などの補助療法が必要かどうかも、グレードを参考に判断します。

 

このページのトップへ ▲