アセトアミノフェン中毒2019年01月21日

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ヒト用の風邪薬や頭痛薬などに含まれる、アセトアミノフェンを多量に摂取することで発症します。アスピリンやイブプロフェンも同じ仲間です。
特に猫ではアセトアミノフェンを解毒する力が弱く、重度の肝障害、赤血球異常を呈し、死に至ることがあります。

アセトアミノフェンはメトヘモグロビン血症と溶血性貧血を引き起こします。メトヘモグロビンは酸化されたヘモグロビンで、それ以上酸素と結合することができず、低酸素症に陥ります。

中毒量(アセトアミノフェン)
中毒量(イヌ):150mg/kg
中毒量(ネコ):50mg/kg
ネコではヒト用のアセトアミノフェン1錠でも致死量になることがあります。

症状
食欲不振、嘔吐、流涎
チアノーゼ、顔面の浮腫
黄疸、赤色やチョコレート色の尿
出血性の胃潰瘍
イヌは肝臓への障害が強く、ネコは赤血球への障害が強い傾向にあります。
診断
病歴により疑い、症状、血液検査などで診断します。
治療
嘔吐の誘発
アセトアミノフェンを摂取して数時間以内であれば、積極的に嘔吐を誘発させ胃洗浄を  行います。
解毒剤
輸液、輸血、酸素吸入

大量摂取や治療が遅れると、死に至ることがあります。
動物にヒトの風邪薬を絶対に投与してはいけません。
摂取した可能性があれば、大至急動物病院へ。

 

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