イヌの会陰ヘルニア2019年11月15日

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会陰ヘルニアは中年期の雄イヌに起こりやすく、雌イヌやネコに起こることは滅多にありません。
会陰部の筋肉が弱くなり隙間が出来るため、腸や膀胱、脂肪などが飛び出してしまいます。

症状
多くの場合、会陰部の腫れや便秘が現れます。
ヘルニアから飛び出た臓器によって症状が変わってきます。
膀胱の場合は尿が出にくくなり、悪化すると腎不全にもつながります。
 腸が圧迫されると、嘔吐、下痢、場合によってはショック症状を起こすことがあります。
原因
会陰部の筋肉が弱くなる原因は分かっていない部分もありますが、先天性、後天性の原因考え  られます。
先天性の原因
会陰ヘルニアを発症しやすい好発品種がいることから「遺伝」と何らかの関わりを持っている可能性があります。
会陰ヘルニアの好発犬種にはボストンテリア、コリー、ペキニーズなど。
後天性の原因
中年期以降の去勢のしていない雄イヌに多いことから、筋力の低下や男性ホルモンの影響などが関係していると考えられています。

診断

会陰部の触診し、直腸検査で直腸の変位や広がりや筋肉の付き具合などを確認します。
腹部から肛門部にかけてのX線検査により腸や膀胱などの位置を確認します。
エコー検査を行う場合もあります。
治療
 会陰部筋肉の隙間を埋め、飛び出た臓器を元に戻すには外科手術が必要です。
隙間の大きさによって手術方法が変わります。
また、会陰ヘルニアはイヌの男性ホルモンが関わっていると考えられるため、去勢手術も行います。
便が出にくくなったり便秘をしている場合は、便を柔らかくする薬を使用する事があります。
放置しておくと悪化することが多いため、早めの処置が必要です。

 

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