アルヒ動物病院は、札幌の動物病院です。イヌ・ネコ・ハムスター・ウサギ・フェレット・他小動物の診療をおこなっております。
日本では「ネコは魚が好物」というイメージがありますが、実際には肉を好むネコの方が多く、生の魚を盗食することはあっても捕ることはほとんどありません。
日本で「ネコは魚が好物」というイメージが定着した理由は、ネコの数が急速に増加した江戸時代の庶民の魚を食べる文化によるものです。
そもそもイエネコの祖先はリビアヤマネコとされており、現在も北アフリカ、中東、南西アジア生息する小型の野生のネコで、獲物は小動物、鳥、爬虫類、虫などです。
リビアヤマネコは主に半砂漠地帯から草原のあまり水のない地域で生息しており、それほど水を飲まず、食べものから水分を効率的に摂取しています。
イエネコが水を嫌うことや、なかなか水を飲まないこと、猫砂を使うトイレ行動も先祖のリビアヤマネコに由来するものと考えられています。
またネコの毛は非常に密集していて濡れると乾きにくく、濡れた毛が皮膚にくっつき、敏感な皮膚の感覚が阻害されることも水嫌いの一因になっています。
「ネコは魚が好物」は日本独特のイメージということです。
ただ魚味のキャットフードであってもバランスのとれた総合栄養食であれば与えても問題ありません。しかし、魚介類そのものを与えるときは注意が必要です。
注意が必要な魚介類
生のイカやタコ、甲殻類
ビミンB1をこわすチアミナーゼを多く含むため、「ビタミンB1欠乏症」を発症するおそれがあります。チアミナーゼは熱に弱いため加熱で防ぐことができますが、消化にはあまりよくありません。
アワビ、サザエ
内臓にはピロフェオホルバイドαという有毒成分が含まれているため、日光に対して過敏に反応し、皮膚に痒みや炎症など「光過敏症」が起こることがあります。
青魚
食べ続けると、「イエローファット(黄色脂肪症)」という病気を起こす恐れがあります。青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸を過剰に摂取し、抗酸化作用のあるビタミンEが不足してくると、皮下や腹腔内にある脂肪が炎症を起こしてしまいます。
鮮度の落ちた魚
鮮度が落ちて細菌が増殖している魚を食べると、アミノ酸の一種であるヒスチジンが細菌によりヒスタミンに変えられます。ヒスタミンは「アレルギーや中毒」の原因になります。