寒がる、尾の脱毛~犬の甲状腺機能低下症2012年01月11日

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数か月の間に体の毛が抜けてきた8歳のマルチーズ

食事の量は変わらないのに次第に太ってきた、なんとなく元気がない、寒がる、とのこと。

全身の毛が薄く、痒みはありません。フワッとしたマルチーズの面影はなく、皮膚にもハリがありません。特に尾は毛がなくネズミのしっぽの様です。

痒みがなく毛が抜けてくる病気は幾つかあります。特にホルモンバランスの病気(内分泌疾患)のことが多く、ワンちゃんは甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症が比較的よく知られています。どちらの病気も症状と血液検査等で総合的に判断し診断しますが、今回のワンちゃんは甲状腺機能低下症でした。

甲状腺は喉にある小さな臓器です。甲状腺機能低下症は、56歳以降に起こりやすく、何らかの理由で甲状腺の萎縮や破壊がおこり、甲状腺ホルモンが欠乏して症状を出します。

甲状腺ホルモンは全身のエネルギー代謝に関与するため、ホルモンが出なくなってくると、毛が抜けやすい、太りやすい、動きが鈍い、寒がる等の症状が出始め、次第に悪化して行きます。通常、甲状腺ホルモンの内服薬を数か月使用することで症状はよくなりますが、継続治療と定期的な検査が必要です。

今回のワンちゃんも甲状腺ホルモンの内服薬で劇的に症状は改善されました

特に屋外で飼われているワンちゃんは、冬の夜間はこの病気で体温が戻らなくなり凍死する場合があります。寒がる、動きが鈍い、元気がない等の症状がでたなら、すぐ動物病院に相談してください。

 

 

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