食べているのに痩せてきた~ネコの糖尿病2012年03月02日

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数ヶ月ほど前から食べているのに痩せてきたチンチラネコちゃん。

水を飲む量が多く、おしっこも多い。少し元気がないかもしれない

痩せてきて水をよく飲み、尿量も多い病気は幾つかあります(腎不全、肝不全、心不全、糖尿病等)。治療しないと重症になる病気が多く、今元気があっても油断できません。

おしっこ検査で糖が検出され、血液検査でもかなり血糖値が上昇していました。

ネコちゃんはストレスがかかっただけでも血糖値が上昇することがあり、また食後数時間は血糖値が高くなります。その後の追加検査や、絶食後の高血糖値などで糖尿病と診断しました。

糖分はエネルギーの源です。糖分を細胞で利用するためには膵臓から分泌されるインスリンという物質が必要です。糖尿病にはインスリンの分泌量が低下する場合(インスリン依存型)と、インスリンに対する体の反応が悪くなった場合(インスリン非依存型)があり、ネコちゃんの場合はインスリンを使う必要のないインスリン非依存型は30ほどといわれています

糖尿病では糖分を細胞で利用出来なくなるため、血液中の糖分が異常に高くなります(高血糖)。糖尿病が進行すると、感染症にかかりやすくなったり、歩行がおかしくなったりします。また、糖分をエネルギーに変えられなくなるため、タンパク質や脂肪を使うことになり、次第に痩せてきますし、肝臓に負担をかけることにつながります。さらに進行するとケトン体という物質が蓄積し、嘔吐、下痢、意識障害を起こし、最終的に死に至ることになります。

今回のネコちゃんはインスリン依存型でした。インスリン依存型は毎日インスリンを注射しなければなりません。インスリンの量、回数を決定するのは非常に大変で、入院させ、何回も血糖値を調べます。インスリンが効きすぎると低血糖を起こし、危険な状態になる場合もあります。

食餌、運動量、飲水量を管理しながら毎日インスリンを注射し、コントロールできた後も定期的に検査をすることになるため、ネコちゃんにとっても、オーナー様にとっても大変なことですが、安定すれば健康なネコちゃんとほとんど変わらない生活ができます。

 

 

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