血液検査のこと1.2013年12月17日

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主に免疫系と血漿タンパク疾患の時に測定する項目

TP(血清総タンパク)血液中の全てのタンパク質。大きく分けて、アルブミンとグロブリンから構成されます。

正常値:イヌ5.07.5、ネコ6.08.2(g/dl)

高-脱水、炎症、肝疾患、骨髄疾患   

低-肝疾患、腎疾患、栄養性疾患

Alb(アルブミン)-肝臓で合成されるタンパク質。

正常値:イヌ2.33.6、ネコ2.43.9(g/dl)

高-脱水  

低-肝疾患、腎疾患、心疾患、炎症性疾患、栄養性疾患、重度の胃腸障害

グロブリン-数種類ありますが、最も重要なのは免疫グロブリンで、免疫反応に関与しています。

正常値:イヌ1.93.9、ネコ2.97.7(g/dl)

高-感染症、免疫介在性疾患、リンパ系の腫瘍  

低-産生低下、出血、タンパク漏出性腸症、点滴などによる血液希釈

主に泌尿器系疾患の時に測定する項目

 腎臓の機能が低下し濾過能力が落ちると上昇する

BUN(血中尿素窒素)-タンパク質の終末代謝産物。肝臓で合成されます。タンパク質分解時に発生するアンモニアを無毒化するため、二酸化炭素とアンモニアが結びついた結果できた物質です。

正常値:イヌ633、ネコ1241(mg/dl)

高-腎疾患、脱水

測定前に激しい運動をすると上昇することがあります。

低-水分過量、肝疾患、栄養性疾患、低タンパク食

Cre(血清クレアチニン)-筋肉内で合成されます。

正常値:イヌ0.61.6、ネコ0.72.5(mg/dl) 

筋肉運動のエネルギー源となるクレアチンが代謝されてできた物質です。

高-腎疾患、尿路閉塞、脱水、溶血性疾患、筋疾患、筋肉の外傷

低-肝疾患、筋肉の喪失、妊娠

主に内分泌疾患、代謝性疾患の時に測定する項目

IP(無機リン)-主にカルシウム、マグネシウムと共に骨や歯に存在しています。血中の無機リン濃度は腎臓で調節されています。

正常値:イヌ2.55.9、ネコ1.87.0(mg/dl)

高-腎疾患、内分泌疾患

低-腎疾患、内分泌疾患、栄養性疾患

Ca(カルシウム)-骨、歯の基質です。

正常値:イヌ8.811.2、ネコ8.810.4(mg/dl)

高-悪性腫瘍 ※犬ではリンパ腫が最も多い

   内分泌疾患、腎疾患

低-栄養性疾患、腎疾患、内分泌疾患、エチレングリコール中毒(不凍液など)

   子癇…産後の小型犬に多く見られます。

母乳を作るためにカルシウム需要が急激に増加するが、体がそれに対応できずカルシウムが不足している状態。

Mg(マグネシウム)-主にカルシウム、リンと共に骨や歯に存在しています。カルシウムの濃度調節を行います。

正常値:イヌ1.02.2、ネコ1.82.5(mg/dl)

高-薬物性

低-内分泌疾患、栄養性疾患

ひとつひとつの検査結果よりも、複数の検査を総合的に検討し、病気の有無を判断します

 

 

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