ネコの栄養の特徴ーⅠ2014年03月24日

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ネコは完全肉食動物であり、その消化・代謝はほとんど全てが肉からなる食餌に適応しています。

 

タンパク質

タンパク質はエネルギー源となる以外に、その構成成分であるアミノ酸に分解され、体の成長や修復を助けます。

肉食動物は本来、エネルギー源としてタンパク質と脂質を利用し、動物体には少ない炭水化物には依存しないので、猫は糖の消化や代謝機能が十分ではないといわれています

一方、イヌは肉食動物近い雑食動物で、炭水化物と脂質を主にエネルギー源として利用します。

そのため、タンパク質の一部がエネルギー源として使われるネコはイヌに比べてタンパク質要求量が著しく高くなっています。

タンパク質を構成するアミノ酸は全部で約20種類ありますが、そのうち体内で合成することができない、または合成量が不足するため食餌から摂取しなくてはいけないものを必須アミノ酸といいます。

必須アミノ酸はネコで11種、イヌで10種あります。ネコはイヌと同様の10種類(アルギニン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン)のほか、タウリンが必須アミノ酸に含まれます。

肉食動物であるネコは肝臓で利用される胆汁酸塩(タウロコール酸)合成のためにタウリンの需要が大きく、タウリンは動物性タンパク質に多く含まれているため、その合成能力を獲得しなかったといわれています。

胆汁酸塩は脂肪の消化吸収に関係しています。食性により、利用する胆汁酸塩は異なり、肉食動物はタウロコール酸、草食動物はグリココール酸、雑食動物は両方の混合物となっています。タウリンが不足すると、網膜の異常、拡張型心筋症、免疫機能不全、繁殖機能障害を招くことがあります。

また、ネコで最も不足しやすい必須アミノ酸はアルギニンです。

アルギニンはアンモニアの解毒に関係しています。肝臓や腎臓でも合成されますが、ネコはその能力が犬よりも低いといわれています。アルギニンが不足すると、アンモニアが体内に蓄積されるため、高アンモニア血症となり、死に至ることもあります。

 

 

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