ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全ウイルスについて2014年10月06日

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猫白血病ウイルス(FeLV)感染症

感染

ウイルスは感染猫の血液、唾液、糞尿などに含まれます。

同じ食器を使っての食事やグルーミングなど持続的な接触で感染します。

喧嘩による咬み傷から高率に伝染します。

母ネコが感染している場合は胎盤や母乳を介して仔猫に伝染することがあります。

症状

感染後2~6週間で全身のリンパ節の腫れ、発熱がみられます。一般にこの時期の症状が軽い場合は一過性の感染で終わり、重い場合は持続感染になりやすいと言われています。

持続感染すると免疫力の低下により他の感染症に罹りやすくなり、貧血、口内炎、胃腸炎、腎炎、呼吸器症状などが治りづらくなります。

また、白血病や腫瘍などを伴うことがあり、多くの場合3年以内に死亡します。

診断

感染しているかどうかは血液検査でわかります。感染した場合、初期段階では検査をしても確認できないため、感染後約1ヵ月で検査をします。1回目の検査で陽性でも、陰転する可能性があるので3~4ヵ月後にもう一度検査をします。そこで陽性であれば一生陽性であるということになります。

 

猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症

感染

ウイルスは感染猫の血液、唾液などに含まれます。

喧嘩による咬み傷から感染します。

交尾による感染もありますが、喧嘩より感染率は低いようです。

症状

感染後数週間で発熱、全身リンパ節の腫大、下痢などが観られることがあり、数か月持続します。その後無症状の時期があり、数年以上続くことがあります。

再び症状が現れ始めると、免疫力の低下により他の感染症に罹りやすくなり、口内炎、胃腸炎、呼吸器症状などが慢性的に起こります。

後天性免疫不全の状態になると、慢性症状が悪化し、悪性腫瘍も併発しやすくなり、多くは数年以内に死亡します。

診断

感染しているかどうかは血液検査でわります。感染した場合、感染初期では検査しても確認できないため、感染後2週間以上経てば抗体の測定が可能となります。拾ってきた猫を飼い始める時や外に出てけんかをした時は検査を受けた方がよいでしょう。

 

 

治療

どちらの病気もウイルスを体からなくしてしまう治療法はなく、発症を遅らせるための管理や症状に合わせた対症療法、免疫力を高める治療が行われます。

予防

予防は、ウイルスに感染させないことです。

すでに感染している猫は発症させないようにすることです。

発症を予防するには、猫の飼育環境や栄養管理とともにストレスからの回避が重要です。陽性猫とのケンカや交尾による感染を防ぐため、避妊、去勢手術をし、屋内での飼育がベストです。CIMG4352

 

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