クスリの話-イヌの僧房弁閉鎖不全症2015年07月21日

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心臓には4つの部屋があり、4か所に弁があります。血液を送り出すときに心臓の弁が仕切りとなって、血液の逆流を防いでいます。血液が逆流すると、せっかく送った血液が戻ってくるため、もっと力を入れて血液を送らなければなりません。心臓に負担がかかり、心肥大になります。また、肺の方にも圧力がかかり始め、咳が出るようになります。

僧房弁閉鎖不全症は左心房と左心室の間にある弁の異常で、老年期に発症することが多く、イヌの心臓病では最も多いものです

 

ACE阻害薬

僧帽弁閉鎖不全症の治療の初期から使う薬です。

血管を拡げて血圧を下げることで心臓の負担を軽減し、心不全の進行を遅らせます。

ごく稀に低血圧になることがあります。

アラセプリル、エナラプリル、ベナゼプリル等

利尿薬

肺水腫(気管支や肺胞に水分が染み出て溜まった状態)の時に使う薬です

利尿させることで、肺にたまった水分を減らします。

全身の水分が減るので脱水や腎機能への負担を考慮しながら使用します。

フロセミド、スピロノラクトン、トラセミド等

強心薬

心臓の力が弱まったときに、ポンプの働きをサポートします。

心臓の負担を軽減し、心拍数を下げます。

稀に不整脈、食欲不振があります。

ピモベンダン、ジゴキシン等

カルシウムチャンネル遮断薬

血管を拡張します

血圧が高めで腎機能が低下していて利尿薬の増量が難しいとき使用します。

徐脈や心筋収縮力低下が起こることがあります。

アムロジピン等

 

心臓が悪くなると、良くなることはありません。薬を使うことで悪化するスピードを遅らせ、生活に支障ない状態を少しでも長くしてあげることです。薬を急に止めると、急速に悪化する可能性もあります。必ず用法・用量を守って飲ませてあげてください。

 

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