トキソプラズマ2015年11月25日

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トキソプラズマは原虫一種で、ヒトも含め、ほとんどの哺乳類、鳥類に感染する寄生虫で人獣共通感染症(ズーノーシス)です。

ネコ科の動物のみ便の中にトキソプラズマの虫体(オーシスト)が排泄されます。

特に、妊娠中の女性が初めてトキソプラズマに感染すると、胎児に悪影響が及ぶ可能性があり、注意が必要です。

  • 感染経路

 

・感染した動物の生肉に含まれるシスト(休眠中のトキソプラズマ原虫)を経口摂取。

・感染したネコの便と一緒の排泄されるオーシストを経口摂取。

(オーシストを排泄するのは感染後3~27日間)

・感染したネズミや鳥などの小動物を捕食。(トキソプラズマのオーシストは、土や水の中など様々な自然環境で数カ月から数年間は生存が可能なため、それらの動物を猫が捕食することでも感染することがあります)。

・ネコの母乳や胎盤を介して子ネコに感染(経乳感染/経胎盤感染)。

  • 症状

 

免疫機能が正常なイヌネコであれば無症状のことが多く、まれに一過性の下痢を呈することがあります。

免疫機能が低下している動物では、嘔吐や下痢などの消化器症状、咳などの呼吸器症状、運動失調などの中枢神経症状が見られることがあり、重症の場合死に至ることもあります。

  • 診断

 

糞便検査と血液検査で診断します。

  • 治療

 

抗菌剤を使用し、必要に応じて下痢等の治療をします。

  • ネコの予防

 

猫を完全室内飼いにし、他の猫からの感染を防ぐ。

・ネズミ、小鳥なのどの小動物を捕食させない。

・猫の便がすみやかに処理する。

・生肉は与えない。

 

    • ヒトの場合
  • ネコの糞便は24時間以内に処理する。
  • ネコを完全室内飼いにする
  • 食器類やネコのトイレの熱湯消毒。
  • 上記の日常飼育は、初回抗体検査が陰性の妊婦や免疫不全者に代わって他の家人が行うべき。
  • 加熱不十分な食肉は避ける。
  • 庭の手入れをする際には手袋をつける。

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