便が細くなってきた、赤色尿~イヌの前立腺肥大2015年12月15日

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1か月ほど前から時々赤い尿を出す雑種のオスのワンちゃん。
排尿障害はありませんが、数か月前から便が細くなっているとのこと。
去勢手術はしておらず、年齢は9歳。
今のところ食欲には問題はありません。

赤い尿を出す病気は、
炎症や傷などによる出血によるもの:
尿路系(腎臓、尿管、膀胱、尿道)やオスの前立腺
血液が急に壊された場合の血色素によるもの:
免疫介在性溶血性貧血、フィラリア症、ネギ中毒など
筋肉の細胞が壊される筋色素によるもの:
急性筋炎、過剰運動など
があります。

今回の仔は血液検査、超音波検査、直腸検査で前立腺肥大と診断。

前立腺肥大の初期にはほとんど症状が認められません。
肥大が進むと、しぶり(便が少しずつ出る状態)や血様の排泄物や尿が見られるようになり、さらに進行すると、排尿困難や便秘、それに伴い食欲の低下が出てきやすくなります。
また、細菌感染が起こりやすくなり、膀胱炎を併発することもあります。

前立腺肥大の多くは良性の肥大で、老化にともなって男性ホルモンのバランスが崩れることが要因の一つとされており、去勢をしていない5~6歳以上のオス犬に多く見られます。
この他、細菌性の肥大や腫瘍によるものもあります。
良性の前立腺肥大の治療は、去勢手術を行うことがほとんどです
ホルモン剤の投与などの内科的療法もありますが、再発する可能性もあります

今回の子は去勢手術と抗生剤により完治しました。

前立腺肥大の一番の予防法は、早期に去勢手術を行うことです。

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