疥癬(カイセン)/ヒゼンダニ2016年02月15日

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疥癬の原因はヒゼンダニと言う大きさ0.4㎜ほどの寄生虫です。
犬、猫に限らず、ウサギ、ハムスター、フェレットなどのペットやヒトにも見られます。
各動物種によってヒゼンダニの種類に違いがあります。
ヒゼンダニは皮膚の角質層にトンネルを掘って寄生し、表皮を食べて生活します。
本来の宿主(イヌにはイヌのヒゼンダニ、ネコにはネコのヒゼンダニ)では卵を持ったメスダニが皮膚の中に産卵します。
産卵から未成熟ダニを経て成ダニが再び産卵するサイクルはすべて皮膚の上でおこなわれ、約3週間かかります。
伝染性が強く、直接個体に接触して感染しますが、ダニが付いているブラシなどからも容易に感染します。
ヒゼンダニは宿主を離れると1~2日しか生きられません。

症状
特に毛が少ない耳、顔、肘などに 強い痒みと皮膚の丘疹や炎症を起こします。
進行するとフケや脱毛に加え炎症を起こした皮膚から二次的に細菌感染も起こします。
動物の免疫力が弱っているとダニの増殖が旺盛となり、栄養障害や細菌感染により重症になることもあります。
診断
皮膚のカサブタを掻き取り顕微鏡で覗くと、ヒゼンダニやその卵を発見することが出来ます。
皮膚に掘った穴の中にいると、ヒゼンダニが見つからないことがあり、確認できなくてもカイセンが疑われる場合には、診断的治療を行い確定診断に至ることもあります。
治療
抗カイセン(ヒゼンダニ)薬を使います
予防
感染動物(個体)との接触を避けることが第一の予防です。
ヒゼンダニは衣服や被毛に付着して容易に持ち込まれるので、感染個体に触れなければならない場合、接触後は衣服を全て交換し、 50℃で 10 分加熱をします。
疥癬症の動物を人間が触ると、人間にもヒゼンダニが感染することがあります。
症状は腕や胸など、体のやわらかい部分に赤い小さな発疹ができて強い痒みが生じます。

本来の宿主ではないため、動物のヒゼンダニは人間の皮膚の上では3週間以上は生きることが出来ず、症状は一時的なものですが、感染が疑われる場合は医師に相談してください。

 

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